旦那が帰ってきてから、
しばらくはおとなしくなっていた。
あの3日間があったから、
もう同じことは繰り返さないだろうと、 どこかで思っていた。
でも、問題は終わっていなかった。
妹からの連絡が始まった
旦那が失踪している間に、
ひとつのことが明らかになっていた。
旦那は、自分の妹や友人、
そして母親にまでお金を借りていた。
妹だけで40万円。
総額は100万円にのぼっていた。
私はそれを知ったとき、
また頭が真っ白になった。
外にまで借金があったなんて。
最初は、妹から旦那に連絡が来ていた。
でも旦那は、電話に出なかった。
ブロックすることもあった。
そうなると、
次は私に連絡が来るようになった。
「お金、どうなってますか」
その文字を見るたびに、 胸が締め付けられた。
私の借金じゃない。
私がやったわけじゃない。
それでも、 責められているような気持ちになった。
なんで私が追い詰められているんだろう。
そう思うたびに、 じわじわと、
何かが削られていく感覚があった。
もう清算したかった
ある日、ふと思った。
もうこの状況ごと、終わらせたい。
利子がかかってもいい。
まとめて全部返して、 この重さから解放されたい。
私には信用に傷がなかった。
だから、借りられるはずだと思っていた。
でも、250万円なんて、 見たことも、持ったことも、
借りたことも一度もなかった。
旦那に話した日
信用金庫で借りようと最初に言ったのは、私だった。
「これを借りて、借りた人たちに全部返そう。そして一からやり直そう」
旦那に、そう話した。
「こんだけの金額を借りるんだから、その重みわかってるよね?もうスロットとかやってる場合じゃないよ」
旦那は、うなずいていた。
このお金の重さを感じてくれれば、
きっと変わってくれる。
妻がここまでするんだから、
さすがにわかってくれるはずだ。
そのときの私には、
怖さよりも希望の方が大きかった。
信用金庫の窓口で
当日、窓口では淡々と手続きをした。
担当者の言葉に答えながら、
私はずっと自分に言い聞かせていた。
大丈夫。返せる。
これで全部終われる。
でも、書類にサインをする手は、 少し震えていた。
本当に大丈夫か。
返していけるのか。
不安がなかったといえば、嘘になる。
それでも私は、サインをした。
これで一からやり直せる。
そう信じて。
250万円が振り込まれた日
口座に入金を確認したとき、 不思議と実感がなかった。
数字を見ているだけで、
これが現実だという感覚が追いついてこなかった。
でも、これが現実だった。
私は250万円を借りた。
旦那の借金を返すために。
この家族を立て直すために。
このお金が、思い通りには使えなかったことを、
このときの私はまだ知らなかった。
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【250万円の使い道が変わった日】



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