あの日、旦那は帰ってこなかった。
最初に沸いた感情は、心配じゃなかった。
怒りだった。
またかよ。
店の釣り銭や支払い用のお金を持ったまま、連絡もつかない。
「どうせまたスロットだろう」
1日目の私は、そう思っていた。
すぐ帰ってくるはずだと、どこかでまだ甘く考えていた。
でもーー
このときはまだ知らなかった。
それが、3日間の始まりだったことを。
2日目|怒りのまま探し回った日
子どもを旦那の妹にお願いして、
私はパチンコ屋を回った。
1軒、また1軒。
どこにもいない。
でも、ある店で見つけた。
旦那の自転車だった。
「やっぱりいる」
そう思った。
この近くにいるはずだと、確信に近い気持ちだった。
絶対見つけてやる。
そう思って、店の中を何度も探した。
でも、どこにもいなかった。
位置情報はこの店を示しているのに、姿がない。
あとで知った。
携帯をロッカーに預けて、
別の店に移動していたらしい。
そのときの私は、まだ怒っていた。
怖いとは思っていなかった。
こんなに必死に探している自分が、
どこかで惨めにも感じていた。
3日目|恐怖に変わった朝
その日の昼過ぎ、旦那からLINEが届いた。
「ごめんなさい、ごめんなさい。
とんでもないことをしてしまいました。
本当にごめんなさい。」
それだけだった。
でも、そのLINEを見た瞬間、
正直ほっとした。
生きている。
それだけは分かったからだ。
でも同時に、
「じゃあ今どこにいるの?」
という不安も残った。
その日は、日本でもニュースになるくらいの大寒波の日だった。
雪も降っていた。
このままどこかで倒れていたらどうしよう。
そう思った。
旦那の親にも状況を伝えた。
でも、義父は怒っていた。
「お前らがお金ないとか、いなくなったとか嘘だろ!」
「俺たちを騙してるんだろ!」
そう言われた。
なぜか私まで疑われた。
どうして私まで。
そう思ったけれど、
もう説明する気力もなかった。
このままじゃ、本当に何か起きるかもしれない。
そう思った。
私は警察に行った。
行方不明届を書いた。
警察に行った日
警察で行方不明届を書きながら、
私は泣いていなかった。
怒りも、不安も、
もう何も感じなかった。
ただ、
体だけが動いているような感覚だった。
「もうどうでもいい」
そんな感覚だけが残っていた。
あのときの私は、
本当に、何も感じていなかった。
怒りも、悲しみも、
もうどこかに消えてしまっていた。
▶︎誰にも話せなかった孤独についてはこちらに書いています。
その日の夜、玄関のドアが開いた。
▶︎旦那が帰ってきた日のことは次の記事で書いています。
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